化学物質に過敏、アレルギー、シックハウス、煙草、農薬・化学肥料や化学系建材等を受け容れられない方の専用賃貸住宅　ハーブガーデンコート | 日記 | 失敗談　その２　～抜け穴～

テスト入居開始日の翌日、早速問題が発覚しました。
キッチン内で酷い化学臭がして耐えられないというものでした。
キッチン内には、冷蔵庫、洗濯機やガスコンロがあり、キッチンパネルに使用したボンドやコーキング剤（F☆☆☆☆）或いはUV塗装済みのフローリング材に原因があるのではと推測しましたが、CS入居者は「それじゃないみたい、、、床下から臭う」と言われました。
私には、その臭いが全く分からず首を傾げていると、、、何故こんなに酷い臭いが分からないんだろう....と私の鈍感さに呆れたご様子でした。
そこで、私は、ひょっとして、、、と思い当たる節があり、階下に居住される方にお話を伺いました。
この方々は、私がハーブガーデンコートを購入する以前からお住まいでした。アレルギーでもシックハウス症候群でもCSでもない普通のおじいちゃんとおばあちゃんです。
CS等対応住宅に変更する趣旨に賛同してご協力して頂く意思を取り付けていたのですが、化学系洗剤が使用されておりました。原因物質はこの化学系洗剤だったのです。
しかし、何故この洗剤の臭いが真上の床下に移行したのだろうと不審に思い、老夫婦のキッチン天井裏に潜り込んで調べてみることにしました。
すると、点検していた大工さんが、びっくりした声で「発見！」と　
ありました、ありました、抜け穴が、な、なんと６箇所もあったのです。
２Fのキッチン部屋に配管されているガス管、水道管、排水管及び電気配線用穴
つまり、鉄筋コンクリート床の穴に通された管の周囲が閉塞されていなかったのです。
電気配線用の穴は、１Fの隣接する部屋にも筒抜けになっていました。
これには、本当に愕然としました。
この穴を通じて、階下の化学系洗剤の臭いが２Fキッチンの床下に充満してキッチン内に侵入してきたのです。これでは、いくら空気清浄器や換気をフル稼働しても追い付く筈がありません。
この場合は、換気が仇になって空気環境を悪化させていました。換気により、キッチン内が陰圧になるため、１Fの汚染された空気をどんどん引き込んでいたのです。
音も漏れますし、ダニやゴキブリ等の害虫が容易に侵入してきます。

嘆いても仕方がありません。
まぁ、しかし、原因が明確に分かったので後は対策を講ずるだけです。
早速、細身の大工さんに真っ暗な天井裏に潜って頂いて、隙間や穴の閉塞工事を行いました。
天井板を踏み外さないように、電気で照らし天井に板を渡し、匍匐前進しながら、共同連携して作業を行いました。これだけでも半日掛かりました。
そして、おじいちゃんとおばあちゃんには、ミヨシの洗剤をお渡しして化学系洗剤と交換して頂きました。
そして、趣旨をもう一度しっかりお話させて頂きました。
この老夫婦のゴミ捨てを時々お手伝いさせて頂いておりますが、その際に天然洗剤が使用されているかどうかを定期的に確認させて頂こうと思った次第です。
CSでない健常者に、CSの実態をご理解して頂くことの難しさを改めて再認識しました。
また、集合住宅のCS対応の難しさを改めて思い知らされました。
マンションやアパート等集合住宅では、似たような欠陥が相当多いと推測されます。
集合住宅に住まわれるCS発症者がリフォームされる場合は、壁や床・天井を全て剥がして破棄した上で、抜け穴の有無を確認・閉塞後に内装工事や配線・配管工事を行う必要性があります。
また、新築工事の場合も、同様に躯体が出来上がった段階で、抜け穴等の欠損部位がないかどうかをチェックすべきだと思います。
特に、こうした欠損部位の閉塞が確実になされているかどうかは、工事業者に任せるのではなく、CS入居者ご自身で、または、信頼できる第三者が確認すべきだと思います。
悲しいことですが、「手抜き工事は、行われるものだ」と疑ってかかることを大前提にすべきです。
因みに、閉塞工事後、２F床下に籠った化学物質を戸外に排出するために、浴室、キッチン及びトイレの排気用換気扇をフル稼働させましたが、完全に抜け切るまでに約１週間を要しました。